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当麻柏陽園開園30周年を迎えて
社会福祉法人当麻柏陽会
理事長
鎌田正彦
「光陰矢の如し」と申しますが、当麻柏陽園が開設されてから、早や30周年の歴史を刻
みました。
この間、当麻町を始め数えきれぬ多くの皆様からの心温たまるご支援ご協力を賜り、30
周年を迎えることができました。衷心より厚く感謝とお礼を申し上げます。
過ぎし昭和6
0年、当麻柏陽園が開設でき得ましたのは、当麻町をはじめ多くの関係機関・
各種団体のご指導ご支援をいただき、初代中野理事長を中心に、既にご退任された先輩役
員の方々、また、今は、鬼籍に入られた元役員の方々の筆舌に尽くせぬ、大変なご苦労の
お陰であり賜物であります。
開園後も多くの地域の皆様方からの、変わらぬ温かいご協力ご支援を賜っております事
に重ねて厚くお礼を申し上げます。
顧みれば、開設当時は、特別養護老人ホームに対する認知度は、今日とは隔世の感があ
り、また、特養の施設の設置数も現在とは比較にならぬほど少ない数でありました。
当麻柏陽会は、「30年」の時の刻みの中で、この記念誌に報告記載のとおり、地域社会
のニーズにお応えすべく、高齢者福祉事業に取り組み、数々の事業を展開し、多くの山坂
を越えてまいりました。
申し上げるまでもなく、今日高齢者福祉事業を取り巻く課題は山積みしております。
特に、施設運営の財源とも申すべき、国の「措置費制度」から「介護保険制度」へと移
行され、15年が経過し、その介護保険制度が、本年4月に大幅に改正されました。
今回の改革に込められたメッセージは「2025年」の介護保険制度を朧げに見せ、厳しい
国の財政と後期高齢者の急増に備えるための改革で、更なる改正に向けての布石とも言わ
れております。
当麻柏陽園も30周年という風雪の中で、施設や諸設備等の老朽化が進み、また、多床室
から個室への移行、更に、超高齢化時代を間近に控え、これらに対応すべき施設はどうあ
るべきか等の課題を抱えております。理事・監事・評議員・職員の皆様と今後これらの課
題解決に向けて協議を進めてまいりたく存じます。
特養施設の運営は、年を追うごとに厳しい状況下に置かれるやに思われますが、限られ
た条件下にあっても、創意工夫と弛まぬ日々の改善努力の積み重ねにより、入所者・利用
者の皆様が「安心・安全で心地良い快適な日々」をお過ごしいただけますよう職員共々努
めてまいります。
当園のモットー「お世話させていただきます」を合言葉に、「入所者・利用者の皆様が
主人公」であることを常に忘れず、役職員一丸となって、今後も事業を推進致してまいり
ますので、何卒、旧に倍しましてのご支援ご協力をお願い申し上げご挨拶といたします。